大麦の出穂生理 : I. 春化後の日長反応,特にその大小と温度との関係
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概要
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(1)春化させた大麦(栽培大麦16品種,野生大麦3種)を,温室と戸外で24時間,13時間,10時間の各日長下に育て出穂反応をみた。(2)何れの品主も高温長日条件で出穂は最も促進され、短日下で遅延するが,知日遅延率は品種間に差があり早生品種は少く晩生品種は大きい。(3)各日長下における感温性をみると、長日下では品種全体としては大きいが品種間差は小さく,短日下では逆に品種全体として小さいが,品種間差は著しく大きい。これは主に高温短日下における品種間の出葉反応の著しい差にもとづくものである。(4)一般に戸外区より室温区の方がどの日長下でも早く出穂するが,2〜3特殊な品種は短日になると温室区の方が戸外区よりも遅くなる,この様な品種ではしがたつて感温性はマイナスの値をとる。(5)野大麦中, H.spontaneumは純粋早晩性著しく大きいが短日遅延度も著しく大きい。H.agriocrithonは純粋早晩性小,短日遅延度大で, H.murinumは純粋早晩性は著しく小さいが短日遅延は比較的小さい。
- 日本育種学会の論文
- 1960-10-20
著者
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