西部北太平洋上への硫黄酸化物の輸送 : 島嶼で採取した試料について
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概要
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西部北太平洋へ輸送される陸起源の硫黄酸化物の量を推定するために、日本列島の南に位置する、比較的汚染源の少ない二つの島嶼(奄美大島および八丈島)において、降水の化学成分濃度を連続的に観測した。非海塩硫酸イオン濃度は両島嶼ともほぼ同じであったが降水量の多い八丈島において年間沈着量は多くなった。非海塩硫酸イオン濃度の季節変化は両島嶼とも冬から春に高く、夏から秋に低い傾向を示した。奄美大島(名瀬)においては非海塩カルシウムイオンの濃度が春先に高くなり、地殻起源の物質の関与が示唆された。気象条件について考察すると、両島嶼とも非海塩硫酸イオンおよび非海塩カルシウムイオンの沈着量に関してアジア大陸の影響下にあると考えることができるが、八丈島の場合は日本列島の影響も無視できない。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1995-10-25
著者
-
廣岡 俊彦
九州大学理学部
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土器屋 由紀子
気象大学校
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山下 順也
名瀬測候所
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廣岡 俊彦
吸収大学・理学部
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宮腰 紀之
気象大学校
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石川 澄雄
八丈島測候所
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大矢 正克
八丈島測候所
-
菅各 重平
八丈島測候所
-
廣岡 俊彦
九州大学理学研究院
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