底面給液および培養液循環を組み合わせた養液栽培法がブドウ'マスカット・オブ・アレキサンドリア'の新梢生長,果実品質および収量に及ぼす影響(土壌管理・施肥・灌水)
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概要
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ブドウ'マスカット・オブ・アレキサンドリア'を供試し,底面給液と培養液循環を組み合わせた義液栽培に適した培地の種類と量を検討した.パーライト培地では,炭素培地よりも新梢伸長が旺盛で,葉面積とLAIも大きい傾向であった.また,前者では結実が若干劣ったものの,日射病の発生が少なく,多収であった.培地量を3水準(70,100,200liter)に変えたところ,新梢伸長は200liter区で最も優れ,100liter 区がこれに次ぎ,70liter区で劣った.開花期と果粒軟化期の葉面積および結実も200liter 区で優れ,70liter区で劣った.また,200liter区では,日射病の発生が少なく,収量が多かった.しかし,収穫果実の糖度には培地量による違いが認められなかった.培養液循環区と非循環区における新梢の初期生長の差は小さかったが,非循環区では盛夏期に水分欠乏による葉焼けが発生し,翌年の新柄生長が著しく劣った.以上の結果から,培地資材をパーライト,培地量を樹冠面積5m^2当たり200literとし,底面給液と培養液循環を組み合わせた養液栽培により岡山県の標準的な'マスカット・オブ・アレキサンドリア'の収量,果実品質が得られることが明らかとなった.
- 園芸学会の論文
- 2003-06-15
著者
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