高等専門学校における中国語教育の実践と改善の模索 : 富山商船高専国際流通学科での授業を事例として
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概要
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第二外国語として近隣諸国の言語とくに中国語を学ぶ学生が増えている中で,中国語教育に関する研究報告や議論は少なく,とりわけ高等専門学校における事例はほとんど見られない.こうした状況を受けて本稿では,富山商船高専国際流通学科における中国語授業を実践事例として取り上げた.実践事例の記述に先立ち,当該学科の中国語授業の開講状況,学生の中国語選択状況および中国語教育目標が紹介されている.当該学科では現在,一般科目で4科目(14単位),専門科目で6科目(12単位)が開講され,平均してクラスの4害リが3つの環日本海諸国語の中から中国語を選択している.そして,中国語教育の目標はビジネスの場にも応用可能な中国語能力レベルの習得に置かれている.つづいて,筆者が平成13年度に担当した授業をクラス授業と演習・実習に大別したうえで各科目ごとに授業概要等を詳細に示すとともに,クラス授業については授業改善の試みとして取り入れた工夫も紹介することを通じて,以下の結論が導かれた.当該学科の中国語教育には成果と課題の両面が存在し,教育目標の達成には各授業に対するいっそうの検討と改善が必要であるが,中国語や中国社会に対する受講学生の関心を高めることを意図した工夫は授業改善の試みの一つであり,ひいてはこれが教育目標の未達成の克服に向けた一歩になり得ると言える.
- 日本高専学会の論文
- 2002-07-20
著者
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