茶樹の断根の程度が樹体の生育、成分に及ぼす影響
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概要
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1. 茶樹の断根の程度が樹体の生育, 成分に及ぼす影響を検討するため, 噴霧耕栽培装置を用いて, やぶきた2年生苗を栽植し, 根長の1/4, 2/4, 3/4をせん除して, その後の生育の回復状況, 体内成分の消長を検討した.2. 断根に伴って根は再発根し, 再生長するため, 無断根区と比べてその生長は遅れるが, 1/4, 2/4断根区は, 生長速度が無断根区とほぼ変わらないのに対し, 強処理を行った3/4断根区はその生長がかなり劣った.またこうした断根は地上部の生長に影響を及ぼし, 新芽の生長は阻害され, その程度は地下部同様強断根区ほど大きかった.なお断根後の生育が無断根区と同様の状態まで復するには, 2年生程度の幼木の場合, 2/4程度までの断根では約3ヵ月, 3/4程度の強断根では約4ヵ月を要した.3. 断根により, 全窒素含量は地上部の枝幹では処理区間に差がみられなかったが, 葉や根部では無断根区によりいずれも少ない含有率を示し, 断根により窒素吸収はかなり阻害されるものと思われた.またこの傾向は全アミノ酸, テアニン, アルギニン等でも同様であった.さらに可溶性炭水化物含有率は, 地上部の葉では断根区の方がまさり, 根部でも強断根区は木化根, 細根ともに無断根区よりまさる傾向を示した.これらはいずれも断根による生育阻害が, その消費に影響した結果と考えられる.
- 1985-05-30
著者
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