いぐさの生育・品質に及ぼす物理的刺激の影響

概要

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いぐさの生育・品質に及ぼす物理的刺激の影響を明らかにするため振動を与えた場合について検討し,次のような結果が判明した。1.振動を与えることによって,茎の伸長が抑制された。さらに,挫折抵抗が低下し,先端部がもろい性状となった。2.茎のエチレン生成量は処理日数が長くなるにつれて多くなった。特に先端部が多くなった。3.葉緑素含量はいくぶん高まるが葉緑素残存率は低くなった。部位別では先端部が低くなった。4.先枯れが非常に多くなった。特に処理後35日頃から急激に増加した。5.ATP含量は振動処理を与えると少なくなる傾向がみられた。以上のことから,いぐさは風の振動による物理的刺激により,生育・品質にかなりの影響をうけ,先枯れが多くなることが明らかになった。その原因として,いぐさが発生するエチレンが関与していることが推定された。このことから,いぐさの網かけは振動による物理的的刺激を少なくする効果が非常に大きく,品質向上に役立つことが明らかになった。
日本作物学会の論文
1981-12-10