イネの組織培養による突然変異の誘発とその育種的利用法に関する研究 : 第1報 カルスからの植物体再分化の効率的方法について
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概要
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イネカルスからの効率的な植物体再分化の方法について検討した。1.カルスの生長は,M.+2,4-DとM.S.+2,4-Dとは同程度の生長を示したが,BAを添加するとカルスの生長は低下し,特にM.+2,4-Dの方が低下が著しかった。2.カルスの生長は,玄米の場合,ナツホナミがコシヒカリより旺盛であった。胚の場合は同程度であった。3.カルスの生長は,胚より玄米の方が旺盛であった。4.カルスの生長は,明(連続照明)と暗(連続暗黒)には差異は認められなかった。5.植物体再分化に好適な培地は(1)カルス形成用培地としてM.+2,4-D,再分化用培地としてM.S.+NAA+BA(2)カルス形成用培地としてM.+2,4-D+BA,再分化用培地としてM.S.+NAAのいずれかであった。この結果は,カルス形成用か再分化用のいずれかの培地にBAを含むことが再分化にかなり効果的であることを示している。また,基礎培地も変更する必要があることを示している。6.まだ再分化率が低いので,今後,基礎培地,2,4-D・NAA・BAの濃度,その他の物質添加等について検討する必要がある。
- 日本作物学会の論文
- 1981-12-10
著者
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