甘藷品種の稔実能力について
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概要
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1)甘藷について,人工交配種子作成の能率化に資するため,品種の柱頭,花粉別稔実能力,それと交配稔性との関係,稔実能力の推定法について検討した。2)90品種について柱頭,花粉別の稔実能力を調査した結果は,ともに平均25%前後の稔実歩合を示したが,品種間差は大きかった。3)個々の品種の柱頭稔実能力と花粉稔実能力は,相互に独立の形質であり,同一品種でも柱頭使用と花粉使用では稔実能力が異なる場合があり,したがって,同一交配組合せても交配方向によって稔実歩合に大差を生じる可能性のあることを認めた。4)交配稔実歩合は柱頭・花粉平均稔実歩合との直線回帰関係によって予測でき,このことから,柱頭・花粉平均稔実歩合の高い交配組合せほど高い稔実歩合が得られることを明らかにした。5)花粉特性や花粉発芽から,品種の柱頭,花粉別稔実能力,交配稔性を推定することは困難であった。6)前述の直線回帰関係を利用すれば,稔実能力既知の指標品種との交配により,未知品種の稔実能力が検定できることを示した。
- 日本作物学会の論文
- 1979-12-25
著者
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