いぐさ育種に関する研究 : 第1報 いぐさ種子の光発芽性について
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概要
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いぐさ育種技術体系化と育種効率向上の一環として,おもに1968〜1972年の間に行ったいぐさ種子の光発芽性と実生養成法に関する知見である。1)種子の性状と種子消毒法を明らかにした。タバコ種子の2分の1の重量という微粒種子で、ゼラチン状の膨脹層を有し種子消毒に独特の器材を要した。2)発芽温度条件は恒温であれば25℃であり,20℃16時間十30℃8時間の日周変温が更に適温である。その感光性は100〜750ルックスの範囲の光照度で大差ないが暗黒条件下では通常まったく発芽しなかった。3)色調の異る光波長で感光性を異にし,その発芽は645〜550muで促進的,500〜460muで抑制的であった。4)その光発芽性はまた前期に嫌光性過程を有する短日型光依存性で,暗期をもうけた後,曝光的に白色光を照射した場合,発芽率と発芽揃いが著しく向上した。著者はこれを「ライトショック」と呼び最適処理条件を検討した。5)実用的には2週間の暗黒処理後曝光処理するのが妥当と考えられ,その他の各種試験結果を総合して,いぐさ三代鉢実生養成法を確立した。
- 日本作物学会の論文
- 1977-10-10
著者
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