南九州における畑作物のマルチ栽培に関する研究 : II.甘しょのマルチ栽培下における地温上昇と生育,収量及び養分吸収との関係についての一考察
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概要
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マルチ栽培下における増収要因解析の一環として,地温との関係について検討をおこない次のような結果を得た。1.一般に用いられている透明フィムルマルチによる地温上昇によって,初期の地上部生育量はきわめて増大し,いもの肥大量も増加するが,生育後半は地上部の衰退を助長し,いもの肥大量を低下させる傾向が認められた。したがってさらに増収を得るためには,生育後半の肥大量を増加させるための検討が必要である。2.無マルチ区とほぼ同様な地温の経過を示した低地温区と,無マルチ区間に収量および養分の吸収量に差が認められたが,これはマルチ栽培下における地温以外の土壌環境要因の差異によるもので,さらにこれらの要因,の解析をおこない,検討を加えたい。3.マルチ栽培下における地温上昇は加里の吸収量を増加させ,葉身中における窒素に対する加里の比率を高める傾向がみられ,いわゆる「つるぼけ」しにくいような養分のバランスが保たれていることはマルチ効果の一要因として指摘できよう。
- 日本作物学会の論文
- 1976-06-01
著者
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