水稲の品種の違いとバインダー刈取りによる収量損失 : 特に草丈を異にした品種間の収量損失の差異について

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概要

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稈長の異なる5品種(ベニセンゴク,神選糯,レイホウ,ホウヨクおよびシラヌイ)を用いて,バインダーで刈取り,結束したのち,脱穀機で脱穀した場合の扱残し籾の重量を調査し,籾の扱残し率を算出して,稈長の違いによる収量損失の大小を推定した。その結果,レイホウやホウヨクでは収量損失が少なく,これらの品種より長稈に属するべニセンゴク,神選糯では収量損失がやや多かった。極短稈品種に属するシラヌイでは扱残しによる収量損失が極めて多く,特に斜め刈りではその損失は最高に達した。以上の結果をもとにして、バインダーなどによる収穫作業の機械化にあたっての品種の選定について考察し,さらに稈長が栽培様式や栽培時期によって可動することに言及して,収穫作業機械がこのような稈長の可動性にも適応できるものであるべきことを強調した。あわせて,西南暖地における耐倒伏性品種の育成にあたっての今後の方向づけを行なった。
日本作物学会の論文
1971-06-30

著者

立野喜代太
九州大学農学部

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