コヒメビエ(Echinochloa colonumLink.)の生態と防除に関する研究 : 第2報 水田土壌中における種子の越冬
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概要
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現在,熊本県と宮崎県の平坦地に侵入が確認されているコヒメビエの今後の分布域拡大の可能性を検討するため,種子の死滅および越冬に関する試験を行い以下の結果を得た。1.コヒメビエ種子はTTC1%水溶液に浸漬した時の着色率と外被除去後の発芽率とがほぼ等しく,TTC反応によって種子の生死判別が可能であった。2.5℃および15℃の水中に2ヵ月間貯蔵したコヒメビエ種子の発芽率は約30〜40%で,未発芽種子の大部分は休眠種子であった。3.5℃の水中に6ヵ月間貯蔵したコヒメビエ種子の約4割が死滅したが,15℃の水中に6ヵ月間貯蔵したものはすべて生存した。4.1995年11月に平坦地の福岡県筑後市および商標高地の佐賀県三瀬村(標高400m)の水田の土壌表層および土中10?に埋設したコヒメビエ種子は70〜95%が翌春まで生存したが,秋田県大曲市の水田に埋設したものは70〜80%が死滅した。5.以上のことから,コヒメビエは九州地域の商標高地も含めた広い範囲に定着可能であると考えられた。
- 1997-05-15
著者
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