コヒメビエ(Echinochloa colonum LINK.)の生態と防除に関する研究 : 第1報 種子の発芽および出芽
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概要
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近年,九州地域に侵入したコヒメビエの生態的特性を解明し,防除法の開発に資するため,熊本県玉名市産のコヒメビエ,福岡県筑後市産のヒメダイヌビエ,イヌビエおよびタイヌビエの種子を用いて発芽および出芽に関する試験を行い,以下の結果を得た。1.供試種子は風乾貯蔵種子でいずれも80%以上発芽し,試験開始時点では既に休眠覚醒していた。コヒメビエは他の3草種に比べて低温条件での発芽率が低かった。2.5℃水中貯蔵によってコヒメビエでは発芽率が低下したが,他の草種では発芽率に変化はなかった。また,コヒメビエは嫌気的条件である密栓水中条件ではまったく発芽しなかった。3.ポットの湛水代かき条件での出芽は,タイヌビエ>ヒメダイヌビエ,イヌビエ>コヒメビエの順に優れ,コヒメビエは7〜8%の出芽率であった。4.無代かき条件でのコヒメビエの出芽は,播種深度1?では畑水分条件のみで認められ,湛水条件では認められなかった。また,湛水条件では播種深度O?で若干発生(発芽)した。5.以上のことから,コヒメビエは供試した他の3草種に比べて,水田での発生には適していないことが明らかとなった。
- 1996-05-15
著者
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