阿蘇地方におけるもちとうもろこしの試作について

概要

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阿蘇地方における,もちとうもろこしの試作において,その作物導入の可能性について,主として品種選定上の問題点とメイチュウ防除上の農薬の検索を行なったが,一応の見通しとして次の諸点をしてきしたい。1.耐風性について,品種の具備すべき条件は,早生種で,やや小型にして,着雌穂高も若干,低いものが好ましいが,収量の安定,多収の上からみるときはこの生態型は必ずしも合理的とは断定しがたい。本試作からは,シラタマモチは北育系に優さった納果をえた。2.阿蘇地方におけるメイチュウの発生は,ダイメイチュウ,アワノメイガのいづれも他の地方に比較して〜激甚なものが予想される。したがって,もちとうもろこしの導入の如何はメイテュウ防除法の確立にかかっているとみることができる。その作季からみると第2発蛾期以前0のメイチュウ防除にも充分に留意する必要が認められる。3.メイチュウ防除剤としては,エンドリン乳剤,同粉剤さらに,D・D・V・P乳剤等が有望である。4.阿蘇地方におけるもちとうもろこしの栽培は,適品種の選択とメイチュウ防除により,その安定性が期待できるものと考える。
日本作物学会の論文
1967-06-30