なたねの栽培法をかえた場合の開花習性について
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概要
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移植なたねに対して,晩播密植の直播なたねの開花習性の特異点を追求した。1)開花始は,いづれの栽培法の場合でも,主茎の主穂がもっとも早く,次いで,主茎の主穂のすぐ下の1次分枝から順次下位の分枝へと咲き及んでゆく。そして,第15〜20節位でもっともおくれて開花し,その時期にはそれ以下の分枝節位で,すでに開花を始めていて,下位分枝程ふたたび開花は早くなっている。しかし,その節位の開花は直播の方が移植より幅広く分布し,広い開花相を作っている。直播内で,密播化される程、下位分枝の開花は少なくなり,密植なたねで,中くびれの谷(第15節位程度)の節位以下はほとんど,開花はみとめられなくなる。2)開花終期の時期もほぼ開花始の時期と同一傾向を示していて,開花のおくれた分枝程,開花終期もおくれている。しかし,中くびれの部位の開花期間はもっとも短かく,したがって,開花終期も比較的に早い。早播の開花終期はとくに分枝節位間で不揃いとなるが,晩播では斉一に開花を終了している。3)日別開花数の時期的推移をみると,1次分枝がもっとも早く開花し,次いで,2次分枝,高次分枝へと咲き及んでゆく。開花は早播と晩播とで,開花始の時期はかなり異なるが,開花終はほぼ同一時期となり,開花始程の時期的変異はない。4)日別開花数の時期的推移は,2〜3頂曲線を示し,とくに,早播で,この傾向が目立った。これは,1次分枝,2次分枝の開花始の時期がずれていることにも一因があるようである。5)開花累計数は,早播では,移植と直播間で,移植が多く,晩播では移植があきらかに少ない。しかし,直播内では早播の場合,疎密播間でかなりな差異を示すのに反し,晩播の場合は疎密播間で大差ない。即ち,晩播密植の開花数は上位分枝への依存率が高い。
- 1966-06-20
著者
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