改良山成工により造成した畑土壌の性状

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改良山成工造成畑の土壌の性状について,造成地に隣接し,かつ,造成前と同類型の土壌である未耕地および既畑を対照として調査した.1)表土扱い層の層厚,容積重,腐植および粘土含量から,表土扱い層の大部分は未耕地のA層およびB層に由来するものと推定された.2)表土もどし直後の表土扱い層の容積重は,未耕地や既畑のA層,Ap層およびB層よりも大きく,粗孔隙(水頭63cm以下)量および易有効水分孔隙(水頭63〜1000cm)量は少なかった.基準侵入度は0 m h^<-1>で,未耕地や既畑に比べ,きわめて小さかった.これは表土扱いでの運土作業およびそのための機械の走行による踏圧により,土壌が圧縮や練返しを受けたことによるものと考えられた.3)表土戻し直後の心土粉砕により,パンブレーカのチゼルおよび支持刃の通過跡近傍では容積重の減少と粗孔隙量の増大が認められた.しかし,通過跡の中間では認められなかった.心土粉砕直後の基準侵入土は,0〜1.4 m h^<-1>であり,ばらつきが大きかった.4)耕起砕土作業により,上部層の容積重および土壌硬度は表土戻し直後に比べ減少し,粗孔隙量は未耕地A層あるいは既畑Ap層と同程度に増大した.しかし,易有効水分孔隙量は表土戻し直後の値とほぼ等しかった.下部層では耕起砕土の影響は認められなかった.5)造成過程での圧縮や練返しによるこのような土壌の構造破壊は収縮試験によって得られた構造発達係数によっても説明され,また,土壌薄片による微細構造の観察でも認められた.
社団法人日本土壌肥料学会の論文
1992-12-05

改良山成工により造成した畑土壌の性状

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