無機非晶質物の量と組成に関する分類学的指標
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概要
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無機非晶質物の量や組成を反映すると考えられる若干の指標的性質を取り上げ,黒ボク土および類縁土壌の分類基準としての適否および意義について検討した.1)慣行的に黒ボク土識別の目安とされているリン酸吸収係数1500以上は,TAMM法抽出のアルミニウム(Al_o),DCB法抽出のアルミニウム(Al_d)のどちらもほぼ2%以上に相当する.黒ボク土識別の基準に無機非晶質物の量的指標を導入することが必要と考える.2)無機非晶質物がアロフェン質かそうでないかの違いは,その他の多くの重要な性質の違いを伴っており,分類場区別する必要がある.両者の識別は,過酸化水素処理による有機物分解前後のリン酸吸収量(P_o,P_1)TAMM法抽出のケイ酸(Si_O)とアルミニウム(Al_o),DCB法抽出のアルミニウム(Al_d)を用いたP_1/P_0比,Si_o含量,Si_o/Al_o比,Al_o/Al_dなどの指標値によって比較的うまく行える.3)これら非晶質物の量と組成の両面から,供試した土壌はアロフェン質の黒ボク土と非アロフェン質の黒ボク土,黒色の腐植質表層土を持つが非晶質物の少ない黒ボク土類縁の土壌の3群に分けることができる.
- 1985-06-05
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