画像処理によるホウレンソウの根表面積測定
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概要
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根の表面積をパーソナルコンピュータを用いて画像処理を行い,直接測定する方法を開発した。1)根箱を用いてホウレンソウを栽培し,根箱の観察面に現れた根の写真および採取した根から投影図を作成し,スキャナを用いて入力し画像ファイルとした。2)投影図からの根表面積の計算方法は根を円柱と仮定すれば,円柱の投影面積は2rh (r:半径,h:高さ)であり,この側面積は2πrhとなり,これを根の表面積とした。また,標準試料は直径100μm程度の太さまで正確に測定することが可能であった。3)ホウレンソウを根箱を用いて栽培した結果,根箱による根の表面積は発芽後21日目から急速に増加した。処理区別では4t以上の有機物施用区において表面積が増加した。4)ホウレンソウの収穫後,根の全表面積は有機物施用区で多く,pHの差はみられなかった。また,リン酸施用区において表面積が増加した。5)堀り取った根の全表面積は草丈,葉乾物重,根乾物重および葉面積とそれぞれ正の相関が認められた。以上のことから,パーソナルコンピュータを利用した根の表面積測定が,土壌診断の一項目として有効と思われる。
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 1991-08-05
著者
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