苧麻の生育に及ぼす日長の影響
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概要
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著者らは3年間にわたって, 日長条件が苧麻の生育および繊維素含有量にどのような影響をおよぼすかについて実験し, 次の結果を得た。1茎の伸長生長および肥大生長は日長が長い14・16時間日長区が大で, 短日の8・12時間日長区においてはこれが抑制された。2繊維歩留および粗繊維素含有率は12時間日長区がもっとも大となった。しかしα・繊維素は14時間日長区がもっとも多く, 16時間日長区がこれに次いで多く, 8・12時間日長区が少なく, これに反して (β+r)・繊維素は日長が長い14・16時間日長区が少なく, 日長が短い8・12時間日長区に多かった。従って繊維の品質は14時間日長区がもっとも良好で, 短日条件下では各種の繊維素の含量からみて, 繊維の品質が低下した。3分げつ数は日長が短い8時間日長区がもっとも多く, 12時間日長区がこれに次ぎ, 日長が長い14・16時間日長区では減少した。従って吸枝を植えつけた1年目には植物体を短日条件下で生育させることが苧麻の繁殖あるいは株分け繁殖のために望しいと考えられる。4開花は本実験の範囲内では8・12時間日長区においてのみみられた。8時間日長区は雌花のみ生じ, 12時間日長区ではその梢端部に雌花が着生し, その下の節から花序のつく末端の節までは雌花および雄花が混生した。この12時間日長区の雌花と雄花の混生の割合は上部では雌花が多く, 下部になるに従って雄花が次第に多くなった。
- 日本作物学会の論文
- 1967-03-25
著者
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