印度稲の光合成に関する研究

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印度稲の葉面当り光合成能力を, 人工光下切断葉について通気法で測定し, 内外の要因と光合成能力との関係を検討した. 実験はすべてセイロン国において行なわれ, 次のような結果を得た. (1) 光-同化曲線の形および光飽和点は, 日本稲の場合と同様で, 飽和光度は40〜50luxであつた. (2) 印度稲の光合成能力に対する適温域は25〜35℃の間にあり日本稲のそれより高いことが明らかにされた. (3) 印度稲の生育期間は品種により3ヵ月から6ヵ月に迄及ぶが, その期間の長短にかかわらず, 葉面当り光合成能力は, 日本稲と同様に, 移植後20〜30日に最大に達し以後は成熟期に向かつて漸減した. また出穂期における高まりは認められなかつた. 更に, Maha期とYala期における光合成能力の変化には特定の差異は認められなかつた. (4) 生育期間の長い品種の方が, 栄養生長期における光合成能力が若干低い傾向が認められた. (5) 日本稲の場合と同様に, 耐肥性の強い品種は弱い品種にくらべて, N施用量の増加に伴なう光合成能力の増加が大であつた. 逆に呼吸作用の増加は耐肥性の弱いものの方が大きかつた. (6) 水耕栽培した印度稲の光合成能力は, 日本稲のそれよりも低いN濃度で最大値に達することが認められた. (7) N追肥後, 印度稲は日本稲よりも光合成能力の促進は少なかつたが, 葉面積の増大が著しく大きい傾向がみられた.
日本作物学会の論文
1964-09-30

印度稲の光合成に関する研究

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