アイスプラント(Mesembryanthemum crystallinum L.)緑化カルスにおける光合成の温度反応およびホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼとリブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼの活性
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概要
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アイスプラントは塩ストレス等により光合成型をC_3型からCAM型に転換する. 培地に6-ベンジルアミノプリン(BAP)を添加することによりC_3型およびCAM型の植物体の葉組織から効果的に緑化カルスを誘導することができた. 誘導した緑化カルスの光合成は, C_3型由来のものでは低温適応型, CAM型由来のものでは広範囲の温度に適応した光合成の温度反応を示した. また, C_3型に由来する緑化カルスのリブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ(RuBPCase)活性は, ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPCase)活性に比べて高く, CAM型由来のものでは, RuBPCase活性に比べてPEPCase 活性が高い値を示した. この様に緑化カルスには元の植物体の酵素活性特性を維持する傾向が認められた. さらに, C_3型由来の緑化カルスに塩処理を課すとPEPCase活性が増加し, 元の植物体で測定した活性値とほぼ同水準に達した. しかし, 緑化処理していないカルスでは, 塩処理によるPEPCase活性の増加が認められなかった.
- 日本作物学会の論文
- 1997-12-05
著者
-
齋藤 和幸
九州大学大学院農学研究院
-
石丸 健
農業生物資源研究所
-
窪田 文武
九州大学農学部
-
縣 和一
九州大学大学院農学研究院
-
森 和一
九州大学農学部
-
石丸 健
九州大学農学部
-
齋藤 和幸
九州大学農学部栽培学講座
-
縣 和一
九州大学
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