移動式実験圃場制御システムの開発

概要

論文の詳細を見る
農学研究を行うための実験圃場は、農家が実際に作物を栽培している圃場条件(大気, 大地条件を含めて)にできるだけ接近させた状態で作物を栽培し、生育期間中のさまざまな環境条件の変化に対応した生育相の解明を通して、作物の生育量や生産力を的確に把握するとともに、それぞれの地域の自然環境に適応した栽培技術を確立させねばならない。しかるに圃場実験の場合、年によっては予期せぬ突発的自然災害や鳥獣による障害を被り、初期の実験目的を達成し得ない場合も生ずるため、圃場実験をあきらめ、室内での環境制限システム利用による実験やポット実験を余儀なくされている場合が多い。しかし、これらのシステムは大型化に伴う管理経費の増大等のため、供試面積を制限されたり、生育期間の一部についての実験が多くなり、全生育期間を通して自然環境に対応させた作物生産を目的とする実験圃場としては不充分な場合が多い。本研究はまずその第一段階として、通常は全く自然環境の下で実験を行い、年による突発的災害や鳥獣による障害から一時的に作物体を保護することを目的とした「移動式実験圃場保護ハウス」と特定な時期の環境を変化させたり、作物体に個別に種々な処理が行い得るような簡単な制御装置を試作することを目的とし、今回は「土壌環境制御システム」を開発した。
日本作物学会の論文
1985-07-30

著者

木下収
鳥取大学農学部

移動式実験圃場制御システムの開発

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク