修復材料の緑端強度と耐摩耗性の試験法に関する研究 : ODU型摩耗試験機によって同一試料に発現した縁端破折と摩耗の検討
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概要
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成形修復材のスクリーニングテスト法を確立する目的で, ODU型摩耗試験機を用いることによって同一試料上に縁端破折と摩耗が発現するような治具を試作した. この試験方法でまず, アマルガム, コンポジットレジンおよびグラスアイオノマーセメントを対象として試料上に発現する縁端破折幅と摩耗量を測定して本装置の性能を検討した. ついで前歯用, 前歯臼歯用, 臼歯用およびインレー用のコンポジットレジンについて加熱処理が縁端破折と摩耗に及ぼす影響を検討した. また, これら4種類のコンポジットレジンとアマルガムに発現する2種類の摩耗について調べ, 以下のような結果を得た. 1) どの修復材においても破折幅と摩耗量は負荷回数の増加にともなって増大した. 2) 縁端強度と耐摩耗性はAMが最も高く, ついでCP, BCの順に低くなった. 3) AMとCPでは, 縁端角度が大きくなるほど縁端強度が高くなったが, BCでは縁端角度と縁端強度との間に明確な関係が認められなかった. 4) 耐摩耗性は, BC, CP, AMともに縁端角度が大きくなるほど高くなった. 5) 加熱処理によってPA, PPおよびINでは, 縁端強度が向上したが, 耐摩耗性の向上は認められなかった. これに対してPBでは, 耐摩耗性は向上したが, 縁端強度の向上は認められなかった. 6) 試料の縁端部と底部に発現した2種類の摩耗では, 摩耗量はPBで最大値を示し, PA, PP, INとの間に有意の差が認められた. 以上の結果は, これまでに報告された縁端強度試験, 耐摩耗性試験および臨床試験の結果と整合するところが多く, 本試験法は, 物理強度がグラスアイオノマーセメントからアマルガムまでの範囲内にある修復材のスクリーニングテストに応用できるものと考えられる.
- 1992-04-25
著者
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