コンポジットレジンでMOD窩洞を充填した場合の歯の変形について
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概要
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無機フィラー含有率の異なる4種類のコンポジットレジンを用い, 新たに考案した測定点刻印法により, 上顎小臼歯のMOD窩洞におけるコンポジットレジンの重合収縮に起因する歯の変形状態および各種コンポジットレジンの重合収縮と吸水膨張に伴う長期間の咬頭頂間距離の推移について検討し, 以下のような結果を得た. 咬頭頂間距離の短縮量は, 窩洞が深くあるいは広くなるほど大きくなり, 隣接面に側室を付与することは, 窩洞を深く形成するのと同様の効果が認められた. また歯の頬舌的変形は, 咬頭頂部で最も大きく現われ, 測定部位が歯根側に移行するに従って次第に小さくなり, 歯頸部付近では認められなくなった. また咬頭頂間距離の短縮量はコンポジットレジンの水平方向の収縮率に比例し, 水中浸漬による拡大量はコンポジットレジンの吸水膨張量に比例した. この結果, 歯質接着性修復によって歯に生じる変形の復元性を向上させるためには, 咬頭頂間距離の短縮を少なくするような充填法を講じることが必要であり, また測定点を試料上に刻印して変位を計測する方法は, 水中浸潰した試料を長期間にわたって観察するのに有効な方法であるといえる.
- 1993-02-25
著者
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