触覚センサーを用いた咬筋の筋疲労判定に関する検討
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概要
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咀嚼運動後の筋疲労の有効な判定方法を検索するために, 新しく開発された触覚センサーを用いて, ヒトの咀嚼筋のうちで咀嚼力・咬合力の発現に最も強く関与する咬筋について, 実験的に咀嚼疲労を起こさせたときの硬さおよび弾性について測定するとともに, 従来の測定方法の一つである筋活動電位の周波数分析を行った結果と比較検討した.その結果, 触覚センサーを用いた場合, すべての被験者の咀嚼側の咬筋において, 筋疲労の特徴である筋の硬さの増加(関数グラフの接線の傾きが小さくなること)および弾性の低下(残留変形が大きくなること)が咀嚼回数(0, 50および100回)に比例して段階的に出現することを明らかにした.また, 非咀嚼側においても咀嚼側ほどには明瞭ではないが, 筋の硬さの増加および弾性の低下が咀嚼回数に比例して段階的に出現した.一方, 同時に記録した咬筋の活動電位における周波数分析では, 高周波数成分(300〜500Hz帯)の減少によって筋疲労を判定したが, 咀嚼側でも非咀嚼側でも高周波数成分の減少度が咀嚼回数に比例していた者はわずか(咀嚼側:6名中2名, 非咀嚼側:6名中1名)であり, 他の被験者では不明瞭であった.以上のことから, 本研究で検討した触覚センサーを用いて測定する方法は筋活動電位を測定して周波数分析する方法よりも正確に筋疲労の状態を判定できることが明らかになった.
- 2000-03-25
著者
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