抵抗性および感受性コナガ幼虫におけるフェニトロチオンの代謝
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
コナガ幼虫における^<14>C-フェニトロチオンのin vivo代謝を抵抗性系統と感受性系統間で比較した.薬剤の皮膚透過性, 体内代謝物の総量, および体外排泄物の総量には有為な差がみられなかったが, 体内代謝物の組成割合に差が認められた.すなわち抵抗性系統では感受性系統に比べてフェニトロチオンの生体内活性毒物体であるフェニトロオクソンが有意に少なく, またフェニトロオクソンの分解物であるジメチルリン酸については逆に抵抗性系統のほうが感受性系統より有意に多かった.^<14>C-フェニトロオクソンのin vitro代謝においても, 抵抗性系統では感受性系統に比べてフェニトロオクソンを速やかに解毒した.以上の結果, フェニトロオクソン解毒活性の増大が, コナガのフェニトロチオン抵抗性の要因の一つであることが明らかになった.
- 日本農薬学会の論文
- 1996-02-20
著者
-
昆野 安彦
農業環境技術研究所
-
宍戸 孝
農環研
-
昆野 安彦
National Institute of Agro-Environmental Sciences
-
宍戸 孝
Faculty of Agriculture, Tohoku University
-
宍戸 孝
Faculty Of Agriculture Tohoku University
関連論文
- 数種昆虫におけるダイキャプソンとフェニトロチオンのグルタチオン抱合
- E11 ニカメイガの有機リン殺虫剤抵抗性機構(第5報) : 有機リン剤抵抗性ニカメイガに対する協力剤の効果(毒物学・殺虫剤)
- E10 ニカメイガの有機リン殺虫剤抵抗性機構(第4報) : ^C-フェニトロチオン及びフェニトロオクソンのin vivo代謝(2)(毒物学・殺虫剤)
- ニカメイガの有機リン殺虫剤抵抗性機構
- イネ寄生およびマコモ寄生ニカメイガの交尾時刻の違いについて
- 抵抗性および感受性コナガ幼虫におけるフェニトロチオンの代謝
- P309 水生昆虫の農薬に対する感受性と抵抗性メカニズム(ポスター発表)
- B119 パーメスリン抵抗性チャバネゴキブリに対する SK 化合物の協力効果
- C323 ニカメイガのフェニトロオクソン結合性蛋白質について(天敵・生物的防除・薬理学)
- G403 イエバエのアバメクチン抵抗性メカニズム(分子生物学など)
- 第 9 回農薬生物活性研究会シンポジウム
- I64 イエバエP-450は他の昆虫種にも存在するか(殺虫剤・作用機構・抵抗性)
- I56 ワタアブラムシにおける薬剤抵抗性の発現機構 : (2)薬物結合活性(殺虫剤・作用機構・抵抗性)
- 有機リン剤抵抗性ニカメイガに対する殺虫共力剤, アリール N, N-ジメチルカーバメート
- 殺虫剤抵抗性対策としての協力剤--ニカメイガの場合 (薬剤抵抗性)
- 有機リン剤抵抗性ニカメイガのフェニトロオクソン解毒因子としての薬物結合性タンパク
- E45 有機リン剤抵抗性ニカメイガにおけるフェニトロオクソンの分解機構(毒物学・殺虫剤)
- D26 ニカメイガの有機リン殺虫剤抵抗性機構(第10報) : フェニトロオクソンの分解機構(毒物学・殺虫剤)
- D23 有機リン剤抵抗性および感受性ネダニにおけるfenitrothionの代謝(毒物学・殺虫剤)
- 有機リン剤抵抗性および感受性ニカメイガ幼虫におけるフェニトロチオンの代謝
- F17 ニカメイガの有機リン殺虫剤抵抗性機構(第9報) : 協力剤(4)(毒物学・殺虫剤)
- 有機リン剤抵抗性ニカメイガにおける化学構造と抵抗性の相関
- W11 ニカメイガの有機リン殺虫剤抵抗性機構(第7報) 協力剤(2)(殺虫剤・毒物学)
- DW3-1 昆虫の農薬への適応とそのメカニズム(殺虫剤作用機構談話会)
- (46) カスガマイシン耐性イネいもち病菌の各種タンパク生合成阻害剤に対する感受性 (秋季関東部会講演要旨)
- D34 昆虫におけるグルタチオンS-トランスフエラーゼの分布(第2報)(生理学・生化学)
- D33 ニカメイガの有機リン殺虫剤抵抗性機構(第1報)(生理学・生化学)