殺菌活性を有する N-フェニルホルムアミドキシム類の立体構造
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概要
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ベンズイミダゾール系殺菌剤に対して負相関交差耐性を示すN-フェニルホルムアミドキシム系殺菌剤のホルムアミジン部分の構造を^1H NMRおよび^<15>N NMRを用いて解析した.その結果非極性溶媒であるCDCl_3中では強い分子内水素結合によりZ-オキシム型が安定に存在することがわかった.一方, 極性溶媒であるDMSO-d_6中では一部E-オキシム型も存在し, 温度を上げるとこのE体の増加がみられた.さらにシリカ系カラムを用いてnHx-CH_2Cl_2-MeOH系溶媒で溶出したHPLCでは約6 : 4に分離するピークを与え, これらはZ-オキシムとE-オキシムのピークであると考えられた.われわれは先にN-フェニルカーバメート系殺菌剤との構造比較からホルムアミジン部分の活性構造はE-オキシム型であると推定したが, 極性の高い生体系においては, 安定構造であるZ体からE体への異性化が容易となり, 活性化するものと考えられた.
- 日本農薬学会の論文
- 1993-05-20
著者
-
中山 章
Odawara Research Center Nippon Soda Co. Ltd.
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中山 章
日本曹達株式会社小田原研究所
-
早川 公一
Odawara Research Center, Nippon Soda Co., Ltd.
-
江口 禎之
日曹分析センター
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早川 公一
Odawara Research Center Nippon Soda Co. Ltd.
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江口 禎之
Odawara Research Center, Nippon Soda Co., Ltd.
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