膜脂質過酸化性除草剤の分子類似性 : ⊿^2-1, 2, 4-チアジアゾリン類と関連ヘテロ環化合物の生物的等価性
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概要
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縮合環構造をもつ⊿^2-1, 2, 4-チアジアゾリン誘導体は, テトラヒドロフタルイミド類や1, 2, 4-トリアゾール-3-オン類と類似した光要求型の除草活性を示したので, これらの生物的等価性を理解するために半経験的分子軌道法計算や計算機化学の手法による立体的および静電的性質の比較を検討した.それぞれのヘテロ環のまわりの静電ポテンシャルの分布は互いに類似したパターンを示した.また, ヘテロ環とベンゼン環のねじれ角度が約240°のときいずれの化合物も安定であることが示唆されたので, このコンフォメーションにおける三つの分子の静電的類似性をCarboのsimilarity index の定義により算出した.二つの分子を最小自乗法により立体的に重ねあわせた場合, similarity indexは0.83∿0.93の範囲であった.さらに, SIMPLEX法により静電的類似性が最大になるような重なりモデルを求めたところ, 最小自乗法によるものとほとんど同じモデルが得られた.こうした知見をもとに骨格の異なる前記化合物間の生物的等価性の要因を推定し, 除草活性発現のための仮説モデルを提示した.
- 日本農薬学会の論文
- 1994-05-02
著者
-
中山 章
Odawara Research Center Nippon Soda Co. Ltd.
-
中山 章
日本曹達小田原研
-
萩原 健司
日本曹達小田原研
-
萩原 健司
Odawara Research Center, Nippon Soda Co., Ltd.
-
萩原 健司
Odawara Research Center Nippon Soda Co. Ltd.
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