有機リン殺虫剤サリチオンの畑地土壌中における立体選択的分解
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概要
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フェニル環の炭素を^<14>Cで標識したラセミ体, (R)体および(S)体のサリチオン(2-メトキシ-4H-1, 3, 2-ベンゾジオキサホスホリン-2-スルフィド)を用いて, 2種類の畑地土壌中における分解について光学異性体間で比較検討した.ラセミ体のサリチオンを処理し好気的畑地条件下でインキュベートすると, (R)体の割合が高いサリチオンが回収された.これに対し, 滅菌土壌から回収されたサリチオンはラセミ体であった.(R)体と(S)体を別々に処理すると, (S)体が(R)体と比較して1.5∿1.7倍の速さで消失し, (S)体を処理した土壌においてより多量のbound ^<14>Cが認められた.滅菌土壌中では光学異性体間の分解速度の差が認められなかったことから, 土壌中におけるサリチオンの立体選択的分解は, 土壌中のサリチオン分解菌の性質に由来することが示唆された.また, 土壌中におけるサリチオン光学異性体のエピマー化は認められなかった.
- 日本農薬学会の論文
- 1991-02-20
著者
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井藤 和人
Environmental Health Science Laboratory, Sumitomo Chemical Co., Ltd.
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井藤 和人
Environmental Health Science Laboratory Sumitomo Chemical Co., Ltd.
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