Quizalofop によるトウモロコシ根端および茎頂部分裂組織構造の変化
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概要
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Quizalofopによるトウモロコシ根端部および茎頂部分裂組織形態に及ぼす影響を調査した.根部伸長は, R(+)体0.1μM処理により顕著に阻害された.一方, S(-)体は, 10.0μM処理によりR(+)体と同程度の阻害活性が認められた.Quizalofopは根端における細胞分裂を阻害したが, その作用は根部伸長阻害が認められる約10時間後に誘起され, 加えて, 根端の組織形態を経時的に観察したところ, まず伸長帯組織に形態異常が認められた後に生長点近傍の組織に形態異常が誘起されることが観察された.このことから, quizalofopの細胞分裂に及ぼす作用は二次的な影響であろうと推察した.茎頂部分裂組織においては, 肥厚分裂組織, 部間分裂組織および葉縁形成組織帯において形態異常が認められたが, 生長点組織に異常は認められなかった.これら形態異常部位の局在化は主にquizalofopの移行パターンによる差異と考えられるが, 併せて, quizalofopがきわめて低濃度でACCを阻害することから, それら組織において脂質代謝回転の増大に伴いACC活性がとくに高い状態にあることによる薬剤感受性の差異に起因するものと推察した.
- 日本農薬学会の論文
- 1989-11-20
著者
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内山 正昭
東京農工大・植物防疫学科
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内山 正昭
農工大・農
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内山 正昭
東京農工大植防
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中平 国光
Department of Plant Protection, Tokyo University of Agriculture and Technology
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中平 国光
日産化学工業株式会社生物科学研究所
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中平 国光
東京農工大学農学部
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