トウモロコシ葉の葉緑体における acetyl-CoA carboxylase と脂肪酸生合成に及ぼす quizalofop とその ester 体の影響の比較
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概要
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トウモロコシ葉切片および葉緑体における脂肪酸生合成ならびにその葉緑体から調製したAcetyl-CoA carboxylase(ACC)に対するR(+)-quizalofopおよびそのethyl ester体(quizalofop-ethyl)ならびにoxime glycol ester体(propaquizafop)の阻害活性を比較した.葉切片における脂肪酸生合成に対しては, ethyl ester体(I_<50>, 4.3×10^<-8>M)およびfree acid体(I_<50>, 7.0×10^<-8>M)は同様に強い阻害活性を示した.しかしながら, 葉緑体の脂肪酸生合成に対しては, free acid体(I_<50>, 3.6×10^<-9>M)がethyl ester体(I_<50>, 4.1×10^<-7>M)に対比して著しく強い阻害活性を示しさらに, ACCにおいてもfree acid体(I_<50>, 1.6×10^<-8>M)がethyl ester体(I_<50>, 1.1×10^<-6>M)およびoxime glycol ester体(I_<50>, 1.0×10^<-7>M)に比べより強い阻害活性を示した.ACC assay mediumにおけるethyl ester体およびoxime glycol ester体の加水分解を経時的に調査したところ, oxime glycol ester体は反応5分後において約10%が加水分解され, 一方, ethyl ester体は反応10分後において約3%加水分解されていた.これらの結果は加水分解により生成したfree acid体が活性本体であることを示し, 加えて, 現在まで報告した結果と総合することによりACCがquizalofopの第一次作用点であることが推定された.
- 日本農薬学会の論文
- 1990-05-20
著者
-
内山 正昭
農工大・農
-
鈴木 宏一
Biological And Chemical Research Laboratories Nissan Chemical Ind. Ltd.
-
中平 国光
Department of Plant Protection, Tokyo University of Agriculture and Technology
-
芳賀 恵
Department of Plant Protection, Tokyo University of Agriculture and Technology
-
中平 国光
日産化学工業株式会社生物科学研究所
-
芳賀 恵
Department Of Plant Protection Tokyo University Of Agriculture And Technology
-
中平 国光
Department Of Plant Protection Tokyo University Of Agriculture And Technology
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