散布むらの改善と粉剤粒子の分級
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概要
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パイプダスタ散布において散粉機の風量を大きくすると, ホース内, 噴孔部の風速が高くなり, BPMCの散布むらやトビイロウンカ防除効果が改善された.また, ブプロフェジンのように, ガス効果を示し, かつ高い殺虫力をもつ薬剤では, 散布むらによる防除むらもある程度改善された.単位平面落下量当りの垂直面付着量の関係を見ると, 風量の大きな散粉機では, 普通粉剤(RD), DL粉剤(DL)ともその回帰式はほぼ同じ勾配を示し, DLでの付着性の改善がみられた.一方, ホース先端を短縮すると, 先端部における薬剤落下量が著しく減少し, 防除効果も大きく減退した.水稲生育時期別の平面落下量をみると, 茎葉の繁茂する幼穂形成期から出穂期にかけて減少した.その後, 登熟期にかけては, 下葉の枯れ上がりに伴い, 落下量は徐々に増加した.パイプダスタ散布された粉剤の落下粒子の粒径分布をみると, RDでは, 粒径10μm以下のものがほとんどを占めていたが, DLでは, 20∿40μmの粒径のものが多く落下していた.平面落下粒子の粒子表面積1mm^2当りの薬量をみると, RDが0.11μg/mm^2, DLが0.03μg/mm^2, 垂直面付着粒子ではRD 0.2μg/mm^2, DL 0.05μg/mm^2となり, いずれもRDが多く, このことがDLよりRDのほうが高い殺虫効果を示す一因と思われた.
- 日本農薬学会の論文
- 1989-11-20
著者
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香口 哲行
広島県農技センター
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半川 義行
広島県立農業技術センター
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半川 義行
Hiroshima Prefectural Agriculture Research Center
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香口 哲行
Hiroshima Prefectural Agriculture Research Center
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