Billroth I 法および II 法胃切除術における Autosuture EEA による吻合法の検討
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概要
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近年 Autosuture EEA は各種の消化管吻合に応用されているが, 胃腸吻合に関する検討は少ない. われわれは胃切除後の Billroth 型再建法に EEA を使用し, 従来の手縫い吻合法との比較検討を行った. EEA 群は Billroth I 法17例 (潰瘍5例, 胃癌12例) Billroth II 法8例 (潰瘍6例, 胃癌3例) であり, 手縫い群は Billroth I 法46例 (潰瘍17例, 胃癌29例), Billroth II 法 (潰瘍7例, 胃癌2例) であった. 術後経過の検討は, 手術手技以外の要因が比較的少ない潰瘍症例についてのみ行った. 手術時間は潰瘍症例の場合 EEA 群で1時間59分, 手縫い群で2時間28分 (p<0.02), 胃癌症例の場合 EEA 群で2時間23分, 手縫い群で2時間56分 (p<0.01) とともに EEA 群が短時間であった. 術後全粥食摂取に要する日数は EEA 群で9.3日, 手縫い群で14.6日 (p<0.01) であった. 血清アルブミン値は EEA 群では術前, 術後で変化がないが, 手縫い群では術後2週で有意に低下した. (p<0.05) 合併症は吻合部出血1例のみで, 縫合不全, 狭窄はなかった. 以上の結果を反映し, 術後入院日数は, EEA 群で23.9日, 手縫い群で31.8日であった. (p<0.01) Billroth I, II 法に対する EEA の使用は, 手術時間, 合併症の面ばかりでなく, 術後経過の面でも多くの利点がみとめられた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1983-07-01
著者
-
葛西 洋一
北海道大学医学部第1外科
-
川村 明夫
北海道大学第1外科
-
川村 明夫
北海道大学医学部第1外科
-
葛西 洋一
北海道大学
-
井斉 偉矢
北海道大学医学部第1外科
-
佐藤 和広
北海道大学第1外科
-
佐藤 和広
北海道大学医学部第1外科
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