胃潰瘍の成因と外科治療 : 胃液分泌と手術々式の検討を中心に (<特集>第13回日消外総会シンポ1 胃潰瘍(急性ならびに慢性)の成因と外科治療)

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概要

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近年,成因の上から胃潰瘍に対しては十二指腸潰瘍とは異なった外科治療が行われている.このことは解剖学的に発生部位が異なっているのみならず,胃酸分泌の面において臨床的に胃潰瘍では十二指腸潰瘍に比して必ずしも酸分泌の亢進がみられないものが多いことからも肯ける.一方,最近,胃液分泌,とくに胃酸分泌およびペプシン分泌のほかに迷走神経やガストリンの関与など多方面から胃潰瘍の成因,病態生理が検討されている.しかしながら,胃潰瘍の成因についてはいまだ解明されるには至っておらず,従来より,各種の攻撃因子と防御因子との相互関係の不均衡が複雑な因果関係をつくり,潰瘍の発生に関与しているものと考えられている.今回は,胃潰瘍の成因と外科治療について,胃液分泌の面から実験的胃潰瘍発生における胃酸および胃の血行障害の意義,臨床例における胃潰瘍と十二指腸潰瘍の相異を検討し,さらに胃潰瘍に対する手術々式の選択についても述べてみたい.
一般社団法人日本消化器外科学会の論文
1979-07-01

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