十二指腸 microgastrinoma と膵頭部 insulinoma を伴った多発性内分泌腺腫症I型の1例
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概要
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症例は42歳の男性.十二指腸潰瘍に対し広範囲胃切除術施行後上腹部不快感が持続し,内視鏡検査にて吻合部潰瘍を指摘された.高ガストリン血症・高PTH血症・高カルシウム血症・高プロラクチン血症を認め,血漿インスリン値は空腹時は正常だったが,糖負荷後は高値を示した.下垂体・副甲状腺・膵に腫瘤を認め,多発性内分泌腺腫症1型と診断した.腹部computed tomographyおよび超音波検査では腫瘤は孤立性で膵頭部に局在し,膵頭十二指腸切除術を施行した.術中所見では膵頭部に孤立性の腫瘤を認めるのみであったが,組織学的検索で膵頭部の腫瘤の他に十二指腸壁内の腫瘤が明らかとなった.十二指腸壁内の腫瘤ははきわめて微小で多発性で,術中には同定不可能であった.免疫組織化学検査および腫蕩細胞のmRNAの解析では膵頭部の腫瘤でインスリンが産生され,十二指腸壁内の微小腫瘤でガストリンが産生されていることが明らかとなった.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1995-04-01
著者
-
海野 倫明
東北大学第1外科
-
松野 正紀
東北大学第1外科
-
高橋 道長
みやぎ県南中核病院外科
-
大平 誠一
仙台市立病院 消化器科
-
佐々木 巌
東北大学第1外科
-
内藤 広郎
東北大学第1外科
-
舟山 裕士
東北大学第1外科
-
神山 泰彦
東北大学第1外科
-
高橋 道長
東北大学第1外科
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福島 浩平
東北大学第1外科
-
土井 孝志
東北大学第1外科
-
柴田 近
東北大学第1外科
-
瀬上 秀雄
東北大学第1外科
-
大谷 典也
東北大学第1外科
-
岩附 昭広
東北大学第1外科
-
海野 倫明
東北大学大学院消化器外科
-
内藤 広郎
みやぎ県南中核病院・外科
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高橋 道長
東北大学 大学院医学系研究科生体調節外科学分野
-
岩附 昭広
総合水沢病院外科
-
土井 孝志
東北大学 大学院医学系研究科生体調節外科学分野
-
大谷 典也
仙台徳洲会病院外科
-
神山 泰彦
石巻市立病院外科
-
瀬上 秀雄
東北大学消化器外科
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