小腸の発癌抵抗性に関する実験的研究
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概要
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小腸癌の発生に関し, その臓器特異性を解明する目的で, 回腸を遠位結腸間に間置した Wistar 系雄性ラットを作製し, 術後2週目より MNNG を 2.5mg/day, 14日間注腸投与した後, 10週, 20週, 30週, 40週目に犠牲死させ腫瘍発生率および粘膜の細胞動態を検索した. 同様な方法で生食注腸群を設けた. 細胞動態の解析は double labeling method により行った. 癌腫発生率は生食注腸群0%, MNNG 注腸群では10週0%, 20週54.5%, 30週35.0%, 40週52.6%であった. 部位別に癌腫発生率をみると, 間置回腸は3.3%と遠位結腸の38.3%に比べ有意に低く, また1匹あたりの発生した癌腫個数も間置回腸が0.03個と遠位結腸の0.70個に比べ有意に低率であった. MNNG 注腸群の細胞脱落時間は遠位結腸の91.4±21.1時間に対し, 間置回腸では40.6±8.2時間と有意に短縮していた. 以上より小腸粘膜上皮の速い更新性が, 小腸が持つ強い発癌抵抗性の主な因子である可能性が示唆された.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1993-12-01
著者
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