研削仕上面の粗さ生成機構に関する研究(第5報) : 断面曲線の確率過程モデル
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概要
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ランダムな砥粒切れ刃で生成された断面曲線を定常確率過程と考えると, この確率過程の生成機構は, 白色雑音を入力とする線形システムの出力とみなすことができる。この定常確率過程を明らかにするため, 研削方向と直角方向を基準0゜に選び, 30゜, 45゜, 60゜, 90゜方向の断面曲線の自己回帰確率過程モデルをFPE法で計測し, 表面のスペクトル特性を解析した。その結果, FPE法で測定した自己回帰モデルの平均次数は20次にもなり, また次数を加工条件によって変化する粗さの説明変数として取り上げるには敏感すぎることがわかった。また, 自己回帰パラメータは測定方向に依存しており, その値を最大もしくは最小にする測定方向が存在する。モデルの次数と自己回帰パラメータおよびスペクトル特性について検討した結果, 研削仕上面粗さは4次の自己回帰モデルAR(4)でも十分表せ, AR(4)でスペクトル解析した結果, 研削仕上面は非等方性表面であり, 粗さは研削方向と直角方向から研削方向へと逐次小さくなることがわかった。
- 1980-04-05
著者
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