わが国の牛乳・乳製品モデルの開発
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概要
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ナチュラルチーズが加工原料乳不足制度の対象から外れた1987年以降,わが国の生乳・乳製品市場は,保障価格の引き下げ,チーズ基金の創設,ガット・ウルグアイラウンド農業協定の実施,輸入ナチュラルチーズの抱き合わせ率の変更等大きな転換局面を迎えている。1987年以降のこのような大きな政策変更があったにもかかわらず,これらの政策変更がわが国の生乳・乳製品市場にいかなる影響を与えるのか分析した研究は少ない。その要因の1つとしてわが国においては乳製品を考慮したモデルがほとんど開発されていないことが挙げられる。現在までに開発されたわが国の生乳・乳製品モデルには,唯是,松原,大塚,鈴木,OECD等いくつかあるが,松原,大塚,鈴木モデルは,加工向供給量については取り扱っているが,バター,脱脂粉乳,チーズ等の個別乳製品については考慮していない。唯是は,これらの乳製品を内生変数として組み込んではいるが,バターと脱脂粉乳が総合生産物であるという重要な関係を考慮していないうえに方程式の特定化や推計結果にもいくつかの問題が残っている。本稿では,バターと脱脂粉乳との関係を結合生産物として明示的に扱え,また,1987年以降の政策変更をも扱える計量経済モデルを開発する。
著者
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