Loseと二重目的語構文
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概要
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英語の動詞loseは二重目的語をとるが,二重目的語構文が典型的には「間接目的語に直接目的語を受け取らせる,あるいは所有させる」という意味を焦点化させるのとは逆に,「間接目的語に直接目的語を失わせる」という意味を表す.また,二重目的語をとる多くの動詞は動作主項を語彙的に含んでいるのに対して,使役化によって二重目的語構文を発達させたloseは,基本的に主語と目的語をとる2項動詞であり,二重目的語構文の主語に対応する項を含んでいないように見える.本稿では,二重目的語をとる中心的な動詞とは,このような点で異なる意味的性質をもつloseがなぜ二重目的語構文で生起可能であるのかを,Goldberg(1995)の提案する構文文法的分析の枠組みで考察し,その有効性と問題点を論じた.また,loseを含めた「周辺的」な動詞が生起する二重目的語構文の意味を,構文の全体像の中で的確に位置づけることができるという点で中村(2001)のモデルが有効であることにもふれた.
- 2002-06-01
著者
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