カリブ海とロビンソン・クルーソー物語(5)
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概要
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ロビンソン・クルーソーの物語には彼が最初にアフリカとのあいだを往復して交易をすることにより大きな利潤をあげたことを始めとして、ブラジルで農園を手に入れてからもイングランドとの交易で利潤をあげるなど、貨幣にまつわる言説が含まれている。彼は孤島に28年間を過ごすあいだでさえも、難破船に残された金貨や銀貨を発見する。孤島に過ごすかぎり、それらの貨幣は「無用の長物」であるにもかかわらず、彼はそれらの貨幣を自分でつくった住居に持ち帰って保管し、島を離れるときには忘れずに持参するのである。島を出てからは、彼が行方不明であった28年間の期間にもブラジルの彼の農園から大きな収益があがっていたことが判明し、それらの収益はきちんと彼の手に渡る。これらの貨幣にまつわる言説を考察することによって、ヨーロッパが発見しつつあった地球上の他の地域と、そのヨーロッパとの結びつきを、ロビンソン・クルーソーの物語がいかに表現しているかを明らかにする。
- 文教大学の論文
- 2005-03-01
著者
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