ラゲール変換法の理論とアルゴリズム,第一部:理論
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概要
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待ち行列理論・信頼性理論等の応用確率論は広く研究され、理論面での発展は目覚しいものがあるが、多くの場合得られた解表現はラプラス変換形等の陰表現で与えられる。これらの陰表現はその複雑さ故にしばしば数値的にすら逆変換が困難であり、これから得られる有効な情報は平均・分散(モーメント)に限られてきた。一般に、確率分布そのものを使った情報、例えば客の待ち時間がある時間を越える確率等、は陰表現からは得られず、このことが理論的研究の工学的・経営学的価値を低下させてきた原因の一つであろう。Keilson and Nunn(1979)、Keilson、Nunn and Sumita(1981)により導入されSumita(1981)によりさらに深く研究されたラゲール変換法は、ラプラス変換形で与えられた解表現を数値的に逆変換する方法として非常に有効である。また、理論的研究と共に、この変換法を使って複雑な確率システムを数値的に解析しようという研究も盛んである。更に最近、この変換法は行列形式と多次元形式に拡張され、セミ・マルコフ過程や多次元確率過程の数値的解析に役立っている。本論文とこれに続く論文の目的は、現時点迄に得られているラゲール変換法の理論と応用を整合性を持たせてまとめることにある。この論文ではこれまでの理論的結果をまとめ、次の論文では実際にラゲール変換法を使用する際に必要と思われるアルゴリズムをわかりやすく説明する。
- 社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会の論文
著者
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