NPK レベル施肥条件下における水稲葉成分の主稈と分げつの関係について

概要

論文の詳細を見る
本実験は分げつ茎の葉成分を主稈の葉成分と比較することによって, 分げつ葉は量的並びに質的に主稈葉とどのような関係にあるか, 又葉診断の実施に当って主稈葉とどのような関係にあるか, 又葉診断の実施に当って主稈葉と同様に用いることが出来るかを究明したもので, 得たる主な結果は次の如し。(1) N. P及びK Level施肥において, 夫々施肥量の増加に伴ない夫々の葉中濃度を顕著に増加した。この感応は生育前期に著しいが漸次減少して, 出穂期にはほとんど認められなかつた。そしてこの傾向は主稈分げつ共に同傾向であつた。(Fig.1∿3) (2) NPK施肥量と葉中NPK濃度との間の関係を調査し, 主稈と分げつで共通の関係式を得た。(Table 1∿3) (3) NPK不均衡施肥による葉中NPK平衡は主稈, 分げつの間に大差がなかつた。(Fig.4) (4) 以上の結果, 同伸葉であればNPK要素に関する限り主稈, 分げつを問わず葉成分は大差なく, 従つて水稲栄養診断の実施に当つて, 分げつ葉も主稈葉と同様に用いる事が出来る。
神戸大学の論文