ヒト色素細胞内melanosomeの三次元立体超微構造および電顕的アルカリ溶融法による解析

概要

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ヒト正常毛母色素細胞を用い,melanin化学的分析と平行して同一色素細胞内melanosomeを個々に三次元超徴構造およびアルカリ溶解性を指標として解析した。高圧透過型電子顕微鏡と試料傾斜装置による立体構造の解析により,長楕内形と球形の二種類のmelanosomeが同一色素細胞内に存在することが明らかになった。また,両melanosomeの内部構造には明らかな差異が有り,長楕円形のものは膜様構造にそってmelanin生成が,球形のものは内部にmelaninが不規則に形成された。さらに,電顕的アルカリ溶融法により球形のmelanosomeの内部構造はA^yマウスのpheomelanosomeと同様に溶解され,長楕円形のmelanosomeはC57BLマウスのeumelanosomeと同様に溶出されなかった。これらの結果より, ヒト正常色素細胞では,同一細胞内にeumelaninを主に生成する長楕円形のmelanosomeと,pheomela同ninを主に生成する球形のmelanosomeが形成され、mixed melanogenesisに対応する機能的分化が行われている事が示唆された。
神戸大学の論文