氷上からの音響測深について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
昭和基地周辺の海洋の調査は,種々の点で興味があり,筆者はとくに大陸氷の消長との関連で注目している.今後氷海で本格的な海底地形,海底地質,地殻物理等の調査を行なう必要があるが,これに備えて,筆者は,氷上から氷を通して測深できるような音響測深機を試作し,第8次越冬観測中,海氷および湖水上で使用してみた.これは市販の音響測深機に,極地での使用を考慮して改良を加えたものである.本体(発振および記録部),配電盤,インバーター,送受波器,バッテリーからなる一式を,カブースそりにのせて使用した.送受波器は一つは氷上より直接送受波を行なうもの一つは氷の質や厚さが氷上からのものに適当でない場合に,氷に穴をあけて水中に挿入して送受波を行なうものの2種を用意した.結果は氷質や氷厚によって異なるが,厚さ140cmの氷上から405mの深さのエコーも得ることができ,テスト機としては成功であったといえよう.
- 国立極地研究所の論文
著者
関連論文
- 東クィーンモードランド観測計画シンポジウム報告
- はしがき(東クイーンモードランド観測計画シンポジウム報告)
- 南極Victoria LandのDry Valley調査報告 : 1. 南極Victoria LandのMiers Valleyに産するEvaporiteについて
- ドライバレー掘削調査1973-74年隊報告
- リュツォ・ホルム湾東岸の氷河流動測定(日本南極地域観測隊の報告)
- やまと山脈の地形
- 国際シンポジウム「太平洋地域の第四紀自然環境変動」
- 第16次南極地域観測隊夏隊(1974-1975)報告
- 氷上からの音響測深について
- 第4次南極地域観測隊越冬隊の調査旅行における気象観測について
- 南極リュツオ・ホルム湾地域における海氷観測について(英文)
- 南極Victoria LandのDry Valley調査報告IX.1970〜1971年のDry Valley調査-地球物理学的研究を中心とした-について(予報)(日本南極地域観測隊の報告)
- 昭和基地周辺で行った湖沼調査予報(1981,1985年)(英文)
- 村山雅美元国立極地研究所次長を悼む
- 1,000万分1「南極大陸」図
- 南極条約に対する環境保護議定書及びその付属書 -南極の環境と生態系の保護のための包括的措置に関する国際合意-
- ノルデンショルド北氷洋周航百年記念シンポジウム
- 南極鉱物資源活動規制条約の採択:その背景,経過及びいくつかの論点
- 第27次南極地域観測隊夏隊報告1985-1986
- 氷海航行セミナー報告
- 第22次南極地域観測隊越冬隊報告1981-1982
- 第20次南極地域観測隊夏隊(1978-1979)報告
- 南極地域の地球化学的研究と地学における若干の課題に関する覚え書
- II 東南極やまと山脈の地形について(第4次越冬隊やまと山脈調査旅行報告(予報))
- 日本の南極観測と地学研究計画の発展
- ケープタウン・南極リュッツォウホルム湾間の海水中の栄養塩類に関する化学的調査
- 第2次南極観測に際して行なった海氷観測及び,それに関する2,3の考察
- シンポジウム「数値地図-メッシュマップとその利用」について
- 南極における氷床の変動と第四紀 (外国における第四紀研究と日本における研究)