マイクロ波加熱によるサバ肉脂質の劣化
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概要
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マイクロ波加熱と従来の加熱法(焼く、煮る)でサバを調理し、調理後の魚肉を冷蔵庫に保存し、さらに冷蔵庫保存後の魚肉をマイクロ波で再加熱した。そして調理、保存、再加熱による魚肉脂質の変化を過酸化物価、カルボニル価、蛍光強度、着色度、脂肪酸組成を測定して調べた。その結果、1.マイクロ波加熱中、魚肉脂質の過酸化物価はほとんど変わらず、カルボニル価、蛍光強度、着色度は次第に増加した。最適調理時間(マイクロ波加熱2分30秒、焼く8分/2分、煮る15分)の魚肉脂質の劣化程度を比較すると、マイクロ波加熱のものが他の加熱法よりやや小さかった。2.加熱後の魚肉を冷蔵庫に保存すると保存に伴い魚肉脂質の過酸化物価、カルボニル価、蛍光強度は次第に増加し、その増加の割合はマイクロ波加熱法のもので最も大きかった。3.脂肪酸組成については加熱中の魚肉脂質ではいずれの加熱法でもほとんど変化はみられなかった。6日間冷蔵庫に保存した魚肉脂質ではマイクロ波加熱と焼いたものでわずかながら飽和酸比率の増加とポリニン酸比率の減少がみられた。4.2日間冷蔵庫に保存した魚肉をマイクロ波で再加熱すると魚肉脂質の諸特数は再加熱前にくらべて増加傾向を示した。この変化の程度ははじめの加熱がマイクロ波加熱のもので最も大きかった。
- 日本調理科学会の論文
- 1992-02-20
著者
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