高等学校における家庭科教育の実験教材について : 第2報 : 食器類の洗剤残留量の簡易測定
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概要
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高等学校家庭科の実験教材の一つとして, 「簡易分析法による食器類の洗剤残留量の測定」を取り上げ, 種々の食器, 調理器具に対する応用実験を行った。その結果, 食器類の洗浄をする際には希釈洗剤よりも原液洗剤を用いた方が, すすぎに用いる水の温度は低い方が, さらにすすぎ時間はいずれの材質でも短い方が, 食器表面に残留する洗剤量が多くなる傾向が認められた。また, 食器材質による残留量の差が認められ, 磁器で最も低い値が得られた。調理器具であるまな板では, 合成樹脂製のものよりも木製のものの方が洗剤が残留しやすく, 原液洗剤を用いた場合に著しく高い残留濃度が得られた。これは, 材質が木製であることから洗剤が水分とともにまな板に浸透し, 落ちにくくなったものと考えられた。第1報ではまな板の脂肪性残留物の汚れが原液洗剤によってかなり除去されることを示したが, その反面, 洗剤が多量に残留する危険性が高いことが明らかとなった。本実験は簡便な操作手法で安全に行えるとともに, 実験そのものの目的や意義, さらには得られた結果の持つ意味を理解しやすいという特徴をもつとともに, 実験を通じて非常に身近にある衛生的な問題に対する意識を高揚することができるため, 高等学校の家庭科実験教材として高い適性を持つと考えた。今後教育現場で有効活用されることを期待する。
- 2001-08-20
著者
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