個人業績評価の本質及び評価と報酬とのリンクの構造 : 環境の不確実性を軸に
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概要
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近年,日本企業において,仕事の実際の成果を明確にし,それを各個人の報酬と明示的に結びつける「成果主義的処遇制度」の導入,適用拡大が見られる。当然にそこでは,個人業績評価の重要性が一層増していることが見て取れる。このような人の業績評価と管理会計情報とを結びつけて議論することは,これまで日本ではあまり行われてこなかったが,近年の企業環境,企業の状況を見るに,その必要性が高まっていると思われる。すなわち,個人により密着した業績評価に対して,会計情報がどのような役割を果たすことができ,またどのような課題や限界を持つのか,明らかにされる必要がある。本稿は,このような問題意識から,その研究のベースとして,特に近年のような不確実性の高い経営環境の認識を軸に,人の業績評価の本質,評価と報酬とのリンクの構造について議論する。具体的には,環境の不確実性を軸に,個人業績評価の本質がもたらす問題,組織・活動及び評価の独立化(分権化),報酬との関係性について,その枠組みを明らかにする。併せて,上記フレームワークと管理会計制度とのリンクが企業の経営管理システムに影響を及ぼし,また会計情報の持つ意味に変化をもたらすことを指摘する。
- 慶應義塾大学の論文
- 2000-04-25
著者
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