マネジメント・コントロールにおけるコントロール概念の再検討
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概要
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本論文は,「フィードバック・コントロール,フィードフォワード・コントロール」,「事前統制,事中統制,事後統制」という2つのコントロール概念グループの本質を明らかにし,両者を構成するコントロール概念の関係を探ることを目的とする。現在の日本企業が対応を迫られている問題の1つに,環境の急速な変化に対応できる経営管理システムの構築が挙げられる。その際,経営管理の中核をなすマネジメント・コントロールにおいて,その理論的な再検討が必要であると思われる。本論文では,マネジメント・コントロールにおけるコントロールにどのような役立ちが認められるかを探る第一歩として,上記2つのコントロール概念グループの本質と,コントロール諸概念の関係を考察する。IIでは,マネジメントとコントロールの関係,およびコントロールの本質とそのプロセスを明らがにする。また,マネジメントにおけるコントロールの特徴を述べる。IIIでは,フィードバック・コントロールとフィードフォワード・コントロールを取り上げる。そこでは,その意義,両者の類似点,相違点から,どのような状況において両者がより有用であるかを述べる。IVでは,事前統制,事中統制,事後統制を取り上げ,これらの意義と関係を議論する。そこでは特に,事前統制のコントロールとしての特異性と,事中統制と事後統制の類似性が強調される。そしてVでは,2つの概念グループを関係づけて,コントロール諸概念の関係と役立ちを明らかにする。
- 慶應義塾大学の論文
- 1999-04-25
著者
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