合成性フェロモンによるシロイチモジョトウの防除 : II. 施設ネギにおける交信攪乱効果とライトトラップの併用効果
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概要
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施設ネギにおいてシロイチモジヨトウに対する高濃度の合成性フェロモン処理とライトトラップによる成虫捕獲の効果を現地実験と成虫の放飼実験により調べた。1) 1987年7∼9月に行った現地実験では,10a当り合成性フェロモン剤500本で処理した場合,および同様の処理を行った上でライトトラップを設置して成虫を捕獲した場合,ほぼ1か月以内に幼虫密度は激減した。同100本で処理した場合には顕著な密度低下は起こらなかった。また,無処理区では幼虫密度は急増した。2) 雌雄成虫の放飼実験により合成性フェロモン処理とライトトラップ点灯処理が交尾率に及ぼす影響を評価した。無処理の場合,第2夜までにすべての雌が交尾した。合成性フェロモン処理またはライトトラップ点灯処理の場合,第1夜の交尾率は20∼50%に,第2夜までの累積交尾率は35∼65%にそれぞれ抑制された。両方の処理を同時に行うと,雌の交尾率はさらに著しく低下した。3) 合成性フェロモン処理による交尾率の低下は雌雄間の交信攪乱効果,そしてライトトラップによる交尾率の低下は雄成虫の大量捕獲効果(雄除去効果)によって引き起こされると考えられた。また,ライトトラップには雌成虫の捕獲による防除効果も考えられた。
- 1990-05-25
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