心療内科から精神科病院への紹介患者の分析 : 心療内科と精神科の連携

概要

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心療内科の認知度の高まりとともに軽度のうつ病, 早期の精神分裂病患者が心療内科を受診することも多い.今回, 1984年1月〜1997年12月までに心療内科を標榜する札幌明和病院から精神科の五稜会病院に紹介された226例(15〜84歳, 平均年齢35.2歳, 男性94例, 女性132例)を対象に診断, 治療の転帰について検討した.紹介時の精神状態は幻覚妄想・精神運動興奮などの精神病性の状態が90例(39.8%), うつ状態64例(28.3%)が多数であつた.臨床診断は精神分裂病が74例(32.7%), 感情障害が78例(34.5%)と多く, 次いで神経症性障害27例(11.9%), 人格障害18例(8.0%), 摂食障害9例(4.0%)であつた.入院治療は135例(59.7%)であり, 初回入院期間は平均103日であつた.入院治療後の転帰は当院外来継続中が58例, 治療終了が34例, 他院への外来紹介が17例であつた.4例が長期入院中であるが, いずれも難治性の分裂病症例であつた.精神科治療の必要な患者が当初より心療内科を受診する機会も多く, 心療内科と精神科の連携は重要なものと考えられる.
日本心身医学会の論文
2000-12-01